アラビア語の速読
概要
テキストエディタを使って、タイピング、速読、作文を練習します。 補助記号やラテン文字も使いながら、学習を進めます。
アラビア文字は、右から左に読む、文字を繋げて書くなどの特徴があります。 アラビア語では短母音を表記しないので、日本語や英語とはかなり感覚が違います。 まずは基本単語や外来語で、読み方を覚えていきましょう。
多くの単語では、子音3文字の語根が基本的な意味を表しています。 語根、接頭語、接尾語を手掛かりにして、単語を覚えていきましょう。 名詞の格変化や動詞の活用など、母音にも規則性があります。
英語版Wiktionaryでは、表記、発音、翻字、語根、語源など、 様々な情報を知ることができます。 基本単語や頻出単語などのリストもあります。
アラビア語は、他の多くの言語に影響を与えています。 文字や単語を覚えるだけでも、他の言語の学習に役立ちます。 逆に、影響を受けたトルコ語などを先に勉強するのもよいでしょう。
目次
アラビア語のタイピング
テキストエディタを使って、タイピングを練習します。 まずは文字の形とキーボードの配置を覚えて下さい。 あとから発音や発音記号と結びつけましょう。
アラビア語を入力するためには設定が必要です。windows8.1の場合は、 コントロールパネルの言語設定から追加します。
テキストエディタやフォントによっては、上手く表示されません。 基本の文字が表示できればよいので、 標準のメモ帳などを使って下さい。 私はEmEditorで練習しています。
まずはキーボードの配置と、文字の単独形を覚えます。 適当に1文字選んで、このように改行を入れて5回ほど打って下さい。

そして文字数を増やしていくのですが、続けて打つと文字が繋がってしまいます。 まずは単独形を覚えたいので、一文字ごとにスペースを入れて下さい。

このままランダムに3文字まで増やしていきましょう。

そしてまた1文字に戻って下さい。1文字から3文字までを繰り返していると、 集中力が上がっていきます。まずは配置を覚えて、何も考えずに打てるまで繰り返して下さい。
無理に文字数を増やす必要はありません。 発音の学習を進めると、長い単語も打てるようになります。

同じ文字を続けて打って、頭字、中字、尾字も覚えましょう。 頭字と中字を持たない文字もあります。
まずは基本の文字を覚えましょう。教材に合わせて、 補助記号やラテン文字でのタイピングも練習して下さい。
速読の練習
ある程度文が読める人は、速読の練習を進めましょう。
単語を繰り返し書く



このように、1文字から3文字程度の単語を繰り返し書いて下さい。 長い単語を打つ必要はありません。
繰り返しているうちに飽きてきて、 頭の中の発音を省略するようになります。
短文を数行に分けて書く

次は簡単な文を、単語ごとに改行を入れて書いて下さい。 これは、複数行を一目で読むための練習です。 短い単語を使って、短い文を書いて下さい。

教材などでは、ラテン文字などに置き換えて表記します。 ラテン文字でも同じように、単語と文を書いて練習して下さい。
読解力
アラビア語を速読で読むには、いくつかの段階が必要です。 文字、単語、教科書、辞書などを、繰り返し読みましょう。また、 文字を覚える段階から、実際の文章に慣れていきましょう。
タイピングや手書きで文字を練習しましょう。 そして文字表や単語リストを繰り返し読んで、 補助記号、ラテン文字と結びつけて下さい。
英語版Wiktionaryでは、補助記号、ラテン文字、発音記号、語根などが載っています。 また、Swadish listやQuranic Verbsなどの単語リストもあります。
Appendix:Arabic Swadesh list - Wiktionaryウィキペディアの記事は、文体や構成が統一されていて読みやすいです。 まずは固有名詞などを拾って、文字や発音の学習に使って下さい。
قائمة الدول - ويكيبيديا最初の文はhiyaを使った定義文が多いので、これを読めるようにしましょう。 リンクをたどって、色々な記事の最初の文を読んで下さい。 辞書や自動翻訳を使いながら、発音だけ、文の構造だけでも読み取って下さい。
語彙を増やして、ニュースを読めるようにしましょう。
الجزيرة نت: آخر أخبار اليوم حول العالم言語についての記事も読んで下さい。他の言語と比較して、アラビア語の特徴を理解しましょう。
قائمة اللغات حسب عدد متحدثيها الأصليين - ويكيبيديا教科書や辞書では、例文を丸ごとラテン文字に置き換えて併記する場合があります。 読む方向が逆なので違和感がありますが、 自分でもラテン文字で文を書いて慣れていきましょう。
少しずつでも、作文を練習して下さい。自分で文を考えることで、読解力が鍛えられます。
発音の学習
文字と発音、綴りと発音の関係を覚えましょう。

速読を使って、補助記号、ラテン文字、発音記号に慣れておきましょう。 単語の綴りや音節を理解してから、実際の発音を練習して下さい。
それぞれの母音、子音の発音については、IPAなどを使って発音を練習しましょう。 アラビア語に無い発音も含めて、音の出し方を学習して下さい。
bab.laなどのオンライン辞書を使って、単語の発音を練習しましょう。 英単語から調べると楽です。
実際の発音は、地域によって大きな違いがあります。 発音記号も変わるので注意して下さい。教材を選ぶ時にも、 どの地域のアラビア語かを確認しましょう。
東京外国語大学言語モジュールでは、 文語とエジプト方言の発音が詳しく解説されています。
語根と母音
単語を覚えるときに重要なのが、子音3文字の語根です。 子音3文字の組み合わせが、単語の基本的な意味を決めています。 多くの単語は、語根と母音、そして接辞を組み合わせてできています。
母音は動詞の活用や名詞の格変化に対応していて、ある程度の規則性があります。 文字では母音がわからないので、補助記号や翻字と一緒に学習しましょう。
語根を元にして、複数の単語を関連付けて覚えましょう。 Wiktionary英語版では、語源や語根、派生語などを調べることができます。
作文の練習
短い作文を繰り返しながら、文字、単語、文法などに慣れていきましょう。 主語+名詞のように、2語で文を作ることができます。

まずは、語順をイメージしながら文を作りましょう。 パターンを決めて、いくつか文を作って下さい。
SVO語順とVSO語順では、文法のルールが少し違います。 最初はどちらかに決めて練習するとよいでしょう。

次は、関係性を整理します。 まずは主語、目的語などの内容を整理して、 それから話し手と聞き手の関係を考えましょう。

他にも、色々なイメージを使って練習して下さい。
文法
名詞の性、格、数が、修飾する冠詞や形容詞に影響します。 動詞は主語の人称、性、数、そして時制によって変化します。
アラビア文字だけでは語形変化がわかりにくいので、 ラテン文字や発音記号を使って覚えましょう。
名詞の語形変化は、主格属格対格、男性女性、単数双数複数、 限定非限定によって接尾辞を使い分けます。
動詞も活用が複雑です。英語の動詞の活用、分類、 時制などを復習しながら、比較して覚えて下さい。
他の言語を先に勉強すると、アラビア語の文法が理解しやすくなります。 英語の後にいきなりアラビア語を勉強すると、 覚えることが多すぎて大変です。
マルタ語
マルタ語はアラビア語から派生した言語ですが、ラテン文字で表記します。 マルタ語の文章を読んで、アラビア語の感覚を掴むことができます。
英語版のアラビア語教材などでは、ラテン文字への翻字を使って説明します。 マルタ語に慣れると、アラビア語のラテン翻字が読みやすくなります。
マルタ語の教材やウェブサイトは少ないのですが、マルタ語版のウィキペディアがあります。 冠詞などの接頭詞にハイフンを使うので、構造がわかりやすいです。 ロマンス語の影響が強く、英語と似た単語もよく出てきます。
アラビア語の勉強を進めながら、マルタ語の記事も読んで下さい。 固有名詞は英語やアラビア語と似ているので、国名などを覚えていくとよいでしょう。
ニュース
ニュースサイトでは、アルジャジーラ、BBCのアラビア語ページ、 グーグルニュースなどが便利です。
動画ではアルジャジーラのほかに、 FRANCE24とDWがアラビア語のチャンネルを持っています。 Youtubeにもたくさんの動画やチャンネルがあります。
ニュースの見出しだけでも読めるようになれば、 日常的にアラビア語に触れることができます。
自動翻訳について
アラビア語の記事を英語に自動翻訳すると、 大体の意味を掴むことができます。 英語の速読ができる人は、ニュースなどをどんどん読んで下さい。
単語の翻字や発音記号、発音を調べたい場合は、 オンライン辞書を使いましょう。
多言語学習とアラビア語
アラビア語は、多くの言語に影響を与えています。 他の言語を勉強しながらでも、文字や単語を少しずつ覚えていきましょう。
トルコ語を含むテュルク諸語は、アラビア語から影響を受けています。 アラビア語やペルシア語由来の語彙が多く、アラビア文字を使っている言語もあります。
ペルシア語、ウルドゥー語の文字は、アラビア文字から派生したものです。 アラビア文字に慣れていれば、学習が楽になります。
キリル文字を使うタジク語、デーヴァナーガリーを使うヒンディー語、 ラテン文字を使うマルタ語から勉強していくという方法もあります。
同じセム語派にはアムハラ語、ヘブライ語などがあって、語彙や語根などの特徴が似ています。ゲエズ文字などのアブギダ、ヘブライ文字などのアブジャドを使うので、 同じようにラテン文字に置き換えて学習しましょう。